Nathan Siegel
for OZY
November 7, 2014
新興企業アピール・サイエンシズ(Apeel Sciences)の研究者たちは、寿命を倍に延ばす秘薬を見つけ出した。
ただし残念ながら、人間の寿命ではない。
果物や野菜の寿命だ。
これは非常に重要な成果だ。世界ではおよそ3分の1の食糧が捨てられている。
年間7500億ドル以上が無駄になっている計算だ。アメリカではこれよりさらに多い。
捨てられる理由の1つが腐敗である。人の口に入る前に食糧が駄目になり、捨てられてしまうのだ。
これに対応するために、ジェームス・ロジャーズ(James Rogers)博士らのチームは天然素材で作られた一連の保護フィルムを開発した。
農産物を長持ちさせる効果があり、これらのフィルムを使うことで野菜や果物が最大で200%長持ちし、農薬の量を減らすことができるという。
生産農家と食料品店の両方に向けて販売される予定だ。
アピール・サイエンシズのラップは農薬の代わりになるものではないが、使用量を減らすことはできる。
アメリカでは年間約45万トンの農薬が散布され、ミツバチ、国立公園、空気や水の質、7200万羽の鳥に毎年被害が及んでいる。
人間も例外ではない。しかし代替策のないまま農薬の使用をやめても、食糧生産量の激減を招くだけだ。
「質の低い食事が原因で失われる命は、救われる命のおよそ1000倍になるだろう」とデンマークの政治学者ビョルン・ロンボルグ(Bjorn Lomborg)氏は
『環境危機をあおってはいけない 地球環境のホントの実態』(文藝春秋、2003年)の中で書いている。
ロジャーズ氏らは全く新しい分野を開拓しようとしているというわけではない。
修道院では昔から果物の保護に蜜ろうが使われていた。
そもそも、アピール・サイエンシズの保護フィルムは、水生植物が陸上で生き延びるために作り出す保護膜にヒントを得て生まれたのだという。
「つまり、私たちはこのアイデアを借用したにすぎない。自然界ですでに行われていたことを発展させて、製品を開発したわけだ」とロジャーズ氏は語っている。
つまり、4億5000万年前からあるコンセプトを応用して、とてつもなく革新的な製品が生まれたというわけだ。
アピール・サイエンシズの保護フィルムの1つ「エディピール(Edipeel)」は、カットしたレタスや柑橘類などの鮮度を保つための天然の防腐剤だ。
また、「インビジピール(Invisipeel)」はバクテリア、かび、虫などの有害生物を果物や野菜に寄せ付けないようにする抗菌フィルムだ。農薬規制が強化されるなか、魅力的な解決策として注目を集めている。
インビジピールの仕組みはこうだ。
有害生物は農産物の表面に存在する特定の分子混合物からそれらを食べ物と認識する。
そこで、廃棄された農産物や食用にならない部分(茎、葉、皮など)から、有害生物が食べ物と認識しない分子を抽出。
それらを使って水性溶液を合成し、“目に見えず、味もしない、有機由来の、食べることができる”非常に薄い膜で農産物を覆ってしまうというわけだ。
-----------引用ここまで 全文は引用元参照----------
▽記事引用元
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20141107002
National Geographic(http://www.nationalgeographic.co.jp/)November 7, 2014配信記事
> 質の低い食事が原因で失われる命は、救われる命のおよそ1000倍
イギリス人大変だなぁ、、、
これは格段というか別格な新技術だ
確立して普及すれば、それによる効果は農産物以外でも好影響がかなり大きいはず
の損失があったってことじゃん
切り花の寿命を延ばすには、切り口を修復する要素とか
買っても食べきる前に腐らせそうで勿体なくて心配で、冷蔵庫だって大きくないし…
長持ちさせられるならすごく欲しかった。
一攫千金を狙うも、貨車が雪崩で立ち往生、氷が解けてレタス全滅
夢破れる、という展開があったなあ
昔も今もレタスはハイリスクな作物なんやね
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