島根県の雲南市農業委員会(加藤一郎会長)では、耕作放棄地の解消に向けて、農地の利用状況調査後の意向調査を対面方式で実施するなど、農地所有者の実情を踏まえながら対応している。再生困難な農地については非農地化する対応も始めている。
雲南市農業委員会は農業委員37人(女性2人)で、「運営委員会」「農政委員会」「地域農業対策委員会」「情報委員会」の四つの専門委員会を構成している。
農地の利用状況調査などは、地域農業対策委員会を中心に取り組んでいる。
2014年度の利用状況調査は、9月に同委員会で原案を作成し、翌10月の総会後に「農地パトロール推進会議」を開いて取組方針を決定。10月下旬から11月中旬にかけて全筆を対象に現地調査と集計を実施し、その後、意向調査を行った。
意向調査の方法については農業委員から、「遊休農地は高齢化や鳥獣被害などで耕作ができない場所が大半だ。そのような所に利用の意向を聞くのはいかがなものか?」「中間管理機構は借り手が決まっている農地しか受けないのに選択肢があるか?」「遊休農地より、今耕作されている農地を守っていくのが必要ではないか?」などと意見が飛び交った。
議論を続ける中、農地相談の一環として、また、農家の方と対話をすることが農業委員の大切な役割ではないかとの共通認識に至り、3月~5月に集中的に対面方式による意向調査を実施した。担当地区の農家訪問は不在のところもあり何回も訪ね時間はかかった。しかし、農家の状況が把握でき農地の相談を受けるなど、農家と対面で話すことの重要性を再確認できた。
14年度は、県内、他町の取組事例を参考にモデル的に再生困難な農地(B判定)の非農地判定にも取り組んだ。同農業委員会では「非農地通知を行い、現状に合わせて処理をする必要がある。課題を多く残しており、今後、農地所有者との話し合いを積極的に進めるなど対応強化を図る必要性がある」としている。
地域の概況=雲南市は04年11月に6町村が合併し誕生した。島根県の総面積の8%を占め、その大半が林野の中山間地域だ。農地面積は4122ヘクタール、農家戸数は4545戸、認定農業者は法人組織を含め80経営体。有機農業の先駆的な取り組みや多岐にわたる農産物の生産や加工品に取り組んでいるが、有害鳥獣の被害や耕作放棄地も拡大している。
全国農業新聞 [2016-4-1]
http://www.nca.or.jp/shinbun/about.php?aid=7950
どうせ現場の実態を考えずにシステム整備に
数十億円投じたんだろう
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