ここまで、各地で広がる土地の「所有者不明化」の実態について、
相続未登記の問題から全体像を見てきた。では、なぜ任意の相続登記の問題が、
「所有者不明」というこれほど大きな問題につながってしまうのだろうか。そもそも、
日本では土地の所有者情報はどのように把握されているのだろうか。(第1回、第2回)
土地の所有・利用に関する様々な制度を洗い出してみると、見えてくるのが情報基盤の未整備やルールの不十分さだ。
現在、日本の土地情報は不動産登記簿のほか、国土利用計画法に基づく売買届出、固定資産課税台帳、
外為法に基づく取引報告、さらに森林調査簿や農地基本台帳など、目的別に作成・管理されている。
各台帳の所管はそれぞれ、法務省、国土交通省、総務省、財務省、林野庁、農林水産省と多岐にわたる。
台帳の内容や精度もばらばらで、国土の所有・利用に関する情報を一元的に共通管理するシステムは整っていない。
さらに、国土管理の土台となる地籍調査(土地の一筆ごとの面積、境界、所有者などの基礎調査)も、
1951年の調査開始以来、進捗率は未だ5割にとどまる。一方で、個人の土地所有権は諸外国と比較してもきわめて強い。
「土地の権利関係なら不動産登記簿を見ればすぐわかるのではないか」と思う方も多いかもしれない。
実際、各種台帳のうち、不動産登記簿が実質的に主要な所有者情報源となっている。
だが、ここまで繰り返し述べてきたように、権利の登記は任意である
そもそも、不動産登記制度とは、権利の保全と取引の安全を確保するための仕組みであり、
行政が土地所有者情報を把握するための制度ではない。登記をした後に所有者が転居した場合も、
住所変更を届け出る義務はない。そのため、登記がされなければ、登記簿上の名義人がすでに死亡した人のままだったり、
古い住所がそのまま何十年も残り続けることになる。
任意の相続登記を相続人が行うかどうか、また、いつ行うかは、個人の事情をはじめ、
経済的、社会的な要因などによって影響を受ける。たとえば、景気改善によって都市部の土地取引が活発化し
地価が上昇すると所有者の売却意欲が高まり、その準備の一環として相続登記が行われる、
あるいは、公共事業が増加し用地の対象となった所有者が売却のために相続発生後何年も経った後に登記を行うなどだ。
図1は相続等による所有権移転登記の件数の推移である。登記件数は近年増加傾向にはあるものの、年によって変動が大きいことがわかる。
政府の「経済財政運営と改革の基本方針2016」では、所有者不明化の大きな原因の1つである
相続未登記への対策が盛り込まれ、法務省が「法定相続情報証明制度」の創設を進めるなど、徐々に対策が始まりつつある。
しかし一方で、司法書士の間からは、「農地・山林はもらっても負担になるばかりで、相続人間で押し付け合いの状況」
とか「最近、相談者から、『宅地だけ登記したい、山林はいらないので登記しなくていい』と言われるケースが出てきた」、
「次世代のことを考えれば登記すべきだが、登記は任意であり、無理に勧めるわけにもいかず悩んでいる」といった声も聞かれる。
国土交通省の「土地問題に関する国民の意識調査」によると、「土地は預貯金や株式などに比べて有利な資産か」
という問いに対して、2015年度は、「そうは思わない」とする回答が調査開始以来最高の41.3%を占めた。これは1993年度(21%)の約2倍である。
人口減少に伴う土地需要の低下や人々のこうした意識の変化を考えれば、今後、相続登記がいまよりも
積極的に行われるようになるとは考えにくい。国による相続登記の促進は当面の対策としては重要だが、
人々にとって相続登記をする必要性が低いままであれば、促進策の効果も限定的にならざるを得ないだろう。
(続きはサイトで)
登記簿見ろ
もう何十年も期待してるんだけど。
いったいどこが自分の山かもわからん
うちの場合、森林組合が把握してた。
役場の公図と違って、境目に植えた木の種類とかも記録しているみたい。
宅地だって、買えば金払って、登記費用(含登録免許税)払って、
自分のものになっても登記簿に書かれるだけでw、毎年固定資産税を払い続けなければならない。
買い手がつかないということは価値0だろうが!
孫の世代になると相続人が10人20人になって収拾つかないから
だったら記載拒否しかない
おかしいよなー
放棄出来ないのが
今時原野商法は中国人にすら通じないぞ
所有者がいつでも自由に、国に返却できる仕組みにするべき。
国も扱いに困るだろ
そもそも日本列島すべての土地は元々は天皇家のもの
天皇家が、貴族に土地を分け与え、それを武士がまた貰っていたもの。
ここで全て天皇家に返却しよう
3か月4000円とか、資産価値マイナスなのにふざけすぎ
積雪が一冬で2mくらいの山なんだけど、発電量は足りるだろうか・・・・
こんなの三代も続くわけ無い
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